社団法人日本誘電体学会

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会長挨拶

 日本誘電体学会(The Dielectric Society of Japan, DESJ)の初代会長に任ぜられました鶴見敬章です。 2019年12月2日に新学会としての登記が済みまして、新しい学会として無事スタートすることができました。 日本誘電体学会は「強誘電体応用会議(The Meeting on Ferroelectric Materials and Their Applications,以下FMA)」を学会組織に移行し、さらに発展するために設立されました。 強誘電体応用会議は、強誘電体に関わる研究を発表する国内会議として、第一回会議が1977年に開催され、それ以降1988年までは隔年その後は毎年開催されるという非常に長い歴史を持っています。 最近では、強誘電体だけでなく広範囲な誘電性材料へと研究分野は拡大され、研究対象の材料も従来までの無機バルク材料に加え、薄膜材料やポリマーなどへと拡大しています。 このような状況の中、2010年のFMA27にて、FMAのさらなる発展と将来の飛躍を期して、討議するトピックスを強誘電体だけでなく分極の関わる全ての現象、理論、応用へ拡大することにしました。
 日本誘電体学会は、FMAの発展のみならず我が国の誘電体研究のさらなる発展を目指しています。 誘電体は主に電子回路でコンデンサ/キャパシタとして用いられおり、CRLで表される受動部品の一つですので永久に無くなることはありません。 また、圧電体・焦電体はアクチュエータ・センサーとして、IoT技術の進展とともに今後ますます重要となっていきます。 酸化ハフニウムの強誘電性の発見は薄膜メモリーの分野で革命的な意味を持つ可能性があります。誘電体材料の開発にはマテリアルインフォマティクスが必須のツールとなりつつあります。 一方、地球温暖化・気候変動は、人類の英知を結集して解決しなければならないの課題です。そのキーデバイスのひとつが高性能蓄電装置です。 最近、従来の電気2重層キャパシタに加え固体キャパシタが蓄電装置の一つとして期待され世界各国で開発研究が行われています。 日本誘電体学会は、これら全てのトピックスを包含し、誘電体・強誘電体の科学・技術に関する基礎・応用研究の 進歩・向上及び誘電体・強誘電体関連産業の発展、並びにこれらの基礎となる人材の資質の向上を図り、もって公益の増進に寄与することを目的としています。
 FMAの参加者は、誘電体の基礎・理論、材料科学・材料工学、薄膜デバイス、圧電デバイス、キャパシタなど電子部品に関わる技術者・研究者で、従来の学会では席をともにすることのなかった人達です。 日本誘電体学会は、FMA参加者のみならず原料メーカー、電極メーカー、測定器メーカーなどの技術者・研究者、高耐圧絶縁材料の研究者、 誘電体とは直接かかわりがなくても「分極」に関わる現象の研究者など、幅広い分野の人たちを会員として期待しています。
 我が国の産業技術の発展のため日本誘電体学会は極めて重要な意味を持つと考えています。 どうか皆様には学会設立の趣旨をご理解いただき、新規会員として登録するとともに今後の学会の活動へご協力いただくようお願い申し上げます。